会話は流れるがファイルは残る:Requirements/Design/Tasksによる「時間軸」管理術

この記事は、Growth Lab編集部 が Documentation / Project Management / SDD の観点から検証結果を整理したものです。
読了前に全体像を掴み、その後に目次から必要な節へ進める構成を想定しています。
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The Pain: ドキュメントが腐る問題
「仕様書を書こう」と決めても、開発が進むにつれてドキュメントとコードが乖離していく(Documentation Drift)問題が発生します。特にAI開発では進捗が速いため、この乖離が致命傷になります。
原因は、「不変なもの(Why)」と「可変なもの(How/Status)」を同じファイルに混ぜてしまっていることにあります。
The Solution: 時間軸による3層分離
SDDでは、ドキュメントを情報の「変化率(更新頻度)」に応じて3つに分離します。
| ファイル | 内容 | 時間軸 | 更新頻度 | | :------------------ | :-------------------------------- | :--------- | :------- | | Requirements.md | なぜやるのか (Why), 要件定義 | 過去・不変 | 低 | | Design.md | どう実現するか (How), 設計 | 未来・計画 | 中 | | Tasks.md | いま何をしているか (Status), 進捗 | 現在・瞬時 | 高 |
The Implementation: specディレクトリの構造
プロジェクトルートに spec/ ディレクトリを作成し、この3ファイルを配置します。
spec/
├── requirements.md # 変更しない「憲法」
├── design.md # 議論して更新する「設計図」
└── tasks.md # 毎日書き換える「Todoリスト」
AIエージェントへの指示は以下のようになります。
"requirements.md の要件を満たすように、design.md の設計に従って、tasks.md の未完了タスクを1つ実行してください。"
AIへのメリット
この分離により、AIはコンテキストの優先順位を理解しやすくなります。「requirements.md は絶対守るべき制約」「design.md は提案して修正可能な案」「tasks.md は自分が埋めるべき空欄」と認識できるのです。
The Takeaway: 未来過去現在の分離
- Requirements: ぶれない軸(過去の決定)
- Design: 柔軟な思考(未来の計画)
- Tasks: 確実な実行(現在の行動)
この3つを混ぜずに管理することで、AIエージェントは「迷子」にならず、常に正しい方向へ自律的に進むことができます。
最終回となる次回は、この仕組みの上で人間がどのように振る舞うべきか、「Human-in-the-loop」のワークフローについて解説します。
Growth Lab編集部
Documentation / Project Management / SDD
AIエージェント開発、記事制作フロー、デザインシステム運用の接続を実装ベースで検証し、再現可能な手順へ落とし込むことを目的に運営しています。
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