AIエージェント開発を支える「共通基盤(Infrastructure)」:MCP と Context 管理の設計

この記事は、Growth Lab編集部 が AI Agent / Infrastructure / MCP の観点から検証結果を整理したものです。
読了前に全体像を掴み、その後に目次から必要な節へ進める構成を想定しています。
目次を表示
TL;DR
- エージェントの自律性は、モデル性能ではなく「接続されたインフラ」で決まる
- MCP (Model Context Protocol) により、外部ツールやデータとの接続を標準化
- 文脈(Context)を揮発させないための、階層化されたドキュメント管理が不可欠
エージェントには「手足」と「記憶」が必要だ
これまでの LLM アプリケーションは、ユーザーの入力に対して「回答を返す」だけの一方通行なものでした。しかし、真のエージェント駆動開発においては、AI 自らが環境を操作し、フィードバックを得て、次の一手を判断する必要があります。
これを実現するのが、エージェント・インフラストラクチャです。
Model Context Protocol (MCP) は、異なる AI モデルや IDE、ツール間でのデータ交換を標準化する規約です。これにより、エージェントはファイル操作、DB クエリ、ブラウザ操作などを、特定のモデルに依存しない形で実行できるようになります。
MCP アーキテクチャのシーケンス
sequence_diagram
participant A as Agent (Client)
participant B as MCP Server
participant C as External Resource (File/DB)
A->>B: Request Tool Execution (read_file)
B->>C: Access Resource
C-->>B: Data Result
B-->>A: Standardized JSON Response
この標準化により、開発者はエージェントごとに独自の接続ロジックを書く必要がなくなり、既存の MCP サーバをプラグ&プレイで利用可能になります。
2. 動的なコンテキスト管理
エージェントが「今何をしているか」を見失わないために、私たちは以下の 3 層構造で情報を管理しています。
- Requirements: なぜこれを作るのか(不変の目的、DoD: Definition of Done)
- Design: どう作るのか(アーキテクチャ、依存関係、データモデル)
- Tasks: 次に何をするか(作業ログ、未完了タスク、現在地)
単なるドキュメント管理だけでなく、実行時の Context Window の最適化も重要です。過去の全履歴をプロンプトに流し込むのではなく、現在のタスクに関連する断片(RAG)や最新の Spec ファイルのみを動的にロードすることで、トークンコストを抑えつつ精度の高い出力を得ることができます。
3. 自律的な道具の選択(Tool Choice)
インフラ層は、エージェントが利用可能な「道具(Tools/Skills)」のカタログを提供します。
エージェントは問題に直面した際、自律的に「どの道具を、どの順序で使うべきか」をプランニングします。
例えば、Web 検索をして最新のトレンドを調べ(search_web)、その結果をコードに反映し(replace_file_content)、最終的にビルドテストを行う(run_command)。
このオーケストレーションを支えるのが、一貫性のある API インターフェースと、各ツールの「説明(description)」を詳細に定義したメタデータ群です。
インフラ設定の例(config.json)
エージェントがどのリソースにアクセスできるかは、以下のようなインフラ構成ファイルで管理されます。
{
"mcpServers": {
"filesystem": {
"command": "npx",
"args": [
"-y",
"@modelcontextprotocol/server-filesystem",
"/home/user/project"
]
},
"github": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "@modelcontextprotocol/server-github"],
"env": { "GITHUB_PERSONAL_ACCESS_TOKEN": "..." }
}
}
}
🚀 インフラから「価値」へ
エージェント・インフラストラクチャは、言わば「OS」のような存在です。OS が安定していなければ、その上で動くアプリケーション(エージェント)も信頼できません。 基盤が整うことで、初めて AI は「指示待ち」の状態から、「自らゴールを見つけ、環境を整え、遂行する」という自律的なフェーズへと移行できます。 今後は、このインフラをさらにマルチエージェント(複数の AI が協調する仕組み)へと拡張し、より複雑なビジネス課題を解決するための「自律型開発チーム」の構築を目指します。
インフラが整って初めて、高品質な記事量産やコード生成が可能になります。次回は、このインフラの上で動く「エージェント・エンジニアリング」のマインドセットについて深掘りします。
References
Growth Lab編集部
AI Agent / Infrastructure / MCP
AIエージェント開発、記事制作フロー、デザインシステム運用の接続を実装ベースで検証し、再現可能な手順へ落とし込むことを目的に運営しています。
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